マニアックなCSSの単位まとめ
CSSには、多くの開発者があまり使わない、少しマニアックな単位が存在します。しかし、これらの単位を理解し適切に使うことで、デザインやレイアウトの調整に役立つことがあります。今回は、そんなCSSのマニアックな単位をいくつか紹介します。
1. ch
概要: 現在のフォントにおける "0"(ゼロ)の幅を基準にした長さの単位です。
用途: フォントに依存するコンテンツのレイアウト調整に便利です。例えば、入力フィールドの幅を設定する場合などに使用します。
2. ex
概要: 現在のフォントにおける "x"(小文字)の高さを基準にした長さの単位です。
用途: フォントサイズや行間を調整するときに役立つ場合がありますが、フォントによって大きく異なるため、一般的にはあまり使われません。
3. cap
概要: 大文字 "H"の高さを基準にした単位です。
用途: 見出しやキャプションなど、大文字がメインのテキスト要素のレイアウトに使えます。
4. lh
概要: 現在の行の高さを基準にした単位です。
用途: テキストブロックのマージンやパディングを行高さに依存させたい場合に便利です。レスポンシブデザインにも役立ちます。
5. vw
/ vh
概要: ビューポートの幅(vw
)や高さ(vh
)に基づく単位です。1vw
はビューポート幅の1%、1vh
はビューポート高さの1%です。
用途: レスポンシブデザインで、ビューポートに応じたサイズの設定に使われます。
6. vmin
/ vmax
概要: ビューポートの幅と高さのうち、最小の方を基準にするのがvmin
、最大の方を基準にするのがvmax
です。
用途: ビューポートに応じてスケーラブルなデザインを作成する際に使用されます。
7. Q
概要: 日本語の1クォーターエミ幅(1emの1/4)を基準にした単位です。
用途: 日本語テキストのレイアウトに使うことがありますが、サポートが限られているため、使用は控えめです。
8. fr
概要: CSS Grid Layoutで使用されるフラクションユニットです。グリッド内での空間の分割を表す単位です。
用途: グリッドレイアウトで、コンテンツを自動的にサイズ調整するのに役立ちます。
9. rpx
概要: WeChatミニプログラムのCSSで使用される、物理ピクセルに相対的な単位です。1rpxは、デバイスのピクセル密度に応じてスケールされます。
用途: WeChatミニプログラム専用のレイアウトやスタイリングに使われます。
10. em
/ rem
概要: em
は現在のフォントサイズを基準にした相対的な単位。rem
はルート要素(通常はHTML要素)のフォントサイズに基づく相対単位です。
用途: フォントサイズやスペーシングの相対的な設定に広く使用されます。
これらの単位は、特定のデザインニーズや環境に適した選択肢を提供します。しかし、使い方を誤るとレイアウトが崩れる原因にもなるため、使用する際には慎重に検討することが重要です。CSSの単位を理解し、適切に活用することで、より柔軟で洗練されたデザインを実現できるでしょう。